Amazon、Yahoo!の猛追!!楽天に回復の兆しはあるのか!? (前編)【2016年度第2四半期決算発表】
こんにちは、株式会社ギャプライズの功刀です。
今回は先日発表されました楽天株式会社(以下、楽天)の2016年度第2四半期決算から、楽天の国内EC事業の現状と戦略について前後編の2本立てでお話していきたいと思います。
2015年12月期連結決算(国際会計基準)における国内流通総額(電子商取引)では、2兆6748億円と過去最高額を叩き出していたものの、2割近い成長を遂げていた2014年度と比べると前年比伸び率は10.2%まで落ちました。
楽天の市場成長が鈍化気味な一方で、ヤフーでは主力のヤフーオークションだけではなく、ヤフーショッピングにも力を入れ、テレビCMや大型キャンペーンを実施、Amazonではお得意の自社直接販売からモール展開にも手を伸ばし、店舗数を拡大したところ、両者は楽天に迫る勢いで国内流通総額を大幅に上げました。
<参照サイト>
またSimilar Web Proで計測した大手ECモールの推計値を比較してみると、どこも2015年末から大幅にアクセス数を伸ばしていて、EC業界全体が飛躍的に市場規模を拡大しているのがわかります。
Similar Web Pro (PC/SP日本国内合算) [計測期間:2014/08-2016/07]
Similar Web Pro (PC/SP日本国内合算) [計測期間:2015/05-2015/07×2016/05-2016/07]
楽天市場: http://www.rakuten.co.jp/
Amazon: https://www.amazon.co.jp/
Yahoo!ショッピング: http://shopping.yahoo.co.jp/
今年の3月下旬には、大手ECモールがこぞって同時期同日に春のセールを開催し、どこを見てもモール一色でした。ヤフーショッピングでは昨年同日比7倍の売上、ヤフオク!に至っては単日売上32億円を記録するなど、EC業界を震撼させる大モール戦線となりました。
そういった状況で迎えた、4クールの内ボトムになる2016年度第2四半期(http://corp.rakuten.co.jp/investors/documents/results/)。冒頭ではインターネットサービスに囚われないGlobal Innovation Companyを目指す、「イノベーションを通じて 人々と社会を エンパワーメントとする」という新しいミッションステートメントに変更したことを報告しています。
そして気になる業績報告・・・。
ドンッ!!!!!!!
国内EC流通総額は前年同期比+10.9%と、依然として大きな成果は上げられていないようです。そういった反面、楽天カード・楽天銀行は好調という結果で、グループ全体では+17.9%と大きく成長しています。
事業別に見てみると、国内ECの売上収益は+6.9%、営業利益は-24.6%となっており、より危機的状況であるのが伺えますが、楽天側としてはSPU(Super Point Up)プログラムと品質向上を軸にした中長期的成長を見込んだマーケティングへの投資を行った結果だとしているため、現状に対しては想定内の損失だとしています。
ここまで楽天の国内EC事業の現状についてお話させてもらいましたが、後編ではこういった現状に対して楽天が第3四半期以降どういった戦略を立てているのかということを中心に、まとめに入っていきたいと思います。
ではまた次回。